定年退職を迎えた新見信吾(曽我廼家八十吉)は、独り身の寂しさから心に穴の開いたような日々を送っていた。飲み友達である工藤(多賀勝一)と竹本(藤田功次郎)との晩酌が新見の唯一の慰めだが、心の底から気が晴れることはない。
ある日、3人はいつものように雪江(五大桃華)が営む居酒屋で昔話に花を咲かせていた。そこへ突然、「あおい」と名乗る高校生(毎田暖乃)が現れる。あおいは居酒屋で働く紗枝子(曽我廼家いろは)の甥っ子がSNSで知り合った友達だった。
「私、おじいちゃんを探しているんです」
あおいは女手一つで育ててくれた母を病で亡くし、この世に身内が一人もいなくなってしまうのではないかという不安から、僅かな情報を頼りに大阪にやってきたという。
あおいの話を聞いた3人はそれぞれに、「あおいが自分の孫なのではないか」と慌て始める。
やがて、誰も知らなかった新見の過去が明らかになっていく。
見守る人々を巻き込みながら、孫とおじちゃんが巻き起こす、可笑しく、そして心揺さぶられる現代の上方人情喜劇。